採用募集を行うときに知っておきたいことは?
Ⅰ.今週の課題:求人票に記載した内容は、労働契約となってしまうのか。
ハローワークやHP等、社員の募集を行うときは求職者に対して一定の労働条件を明示する義務があります。
*「①労働契約の期間 ②就業の場所、従事する業務 ③始業・終業の時刻、残業の有無、休憩・休暇、休日 ④賃金の決定、計算 ⑤退職について」といった事項です。(職安法5条)
実際、採用面接を行ってみると、応募者の素晴らしいヤル気に感動し、スキル不足は否めませんが、内定を出そうと思うことがありますね。しかし、求人票に記載している賃金と応募者のスキルが見合いません。こんなときは、求人票に記載した条件を下回る労働条件を提示しても良いものでしょうか。
Ⅱ.課題の対策:求人票に記載した内容と実際の労働契約が違っていても構いませんが、あまりにも求人票にくらべて労働条件が低すぎた場合は「信義誠実の原則」に反します!!
募集条件が示された時点と採用時点との間に時間的な間隔があったり、想定していた求人のスキルより採用する人物のスキルが劣る場合など、募集時の条件と採用時の条件が違ってしまうことがあります。
特に、求人票記載の賃金額は最低保障を意味するものではありません。
採用内定をした段階で、所定の事由が発生した場合の解約権は留保されているものの、労働契約は成立するので、その時に労働条件を明示することになります。(労基法15条) したがって、その時に明示される労働条件が正式なものであり、求人票と食い違っても構いません。
しかし、応募者は募集条件として示された内容が大きく変更されることはないだろうと期待して応募しているわけですから、企業側はこの期待に著しく反してはならないとされる「信義則の原則」があります。
実態とかけ離れた破格の条件で募集したり、入社直前まで応募条件と大きく異なることを知らせなかったりすることはないようにしましょう。
どうしても入社時の募集条件が応募条件を大きく下回る場合は、募集時と採用時の事情に変更があったことをきちんと説明しておくことをお勧めします。
また、最近は自社のHPで応募広告を掲示することが多くなっています。募集条件の明示事項(上記*)の内容が求職者に誤解を与えることのないよう平易な文章で、かつ業務内容などは具体的に記載しておくと良いでしょう。こうした心遣いで、労働問題が未然に防げることもあります。
求人、採用について、ご不明な点やご質問などありましたら、ブレイン・サプライまでお問い合わせください。
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