「契約社員も雇用契約書が必要ですか??」
Ⅰ.今回の課題
電気機器メーカーA社では、業績の悪化にともない、契約社員やアルバイトなど有期契約社員の雇用を見直そうと考えています。
契約期間が終了するタイミングで、更新をしないようにしたいのですが。。。
労働問題に発展したらどうなってしまうのでしょうか?
Ⅱ.経過報告
このような「雇止め」に関して、過去の最高裁の判例により、一定の場合に雇止めを認めず、有期労働契約が締結または更新されたものとみなす判例法理が確立しています。
つまり、有期契約社員として雇用しているつもりでも、無期社員と看做し、雇止めが解雇権の濫用とされてしまうケースが増えています。 そこで。。。
①対象契約社員の従事する業務の永続性や臨時性はどうか。
②更新回数、継続雇用期間はどのくらいか。
③正社員と比較して権限、責任は同一と考えられるか。
④契約更新手続きの実施(毎回更新手続きを厳格に行っているか)
⑤契約における更新条件の合意内容
⑥使用者による契約更新を期待させる言動の有無、無期雇用のような発言はなかったか。
⑦同様の立場にある者の雇止めの実績
以上の①~⑦を総合的に勘案して、雇止めの妥当性を検討します。
Ⅲ.対応方法
今回、契約期間が満了するCさんが従事している業務は、さほど熟練を要しない作業であること、今までの雇用契約は6回更新されていたが、契約期間1カ月が2回、4カ月が1回、半年が1回と比較的短期間だったこと、更新ごとに雇用契約書を作成し、面談の上、更新手続きを行っていたことから、雇止め法理には当てはまらないと考えられます。
以上のことから、A社はCさんの契約を更新しないことに決定しました。 しかしながら、Cさんは更新を希望されるだろうと思われますので、会社の業績について、今後の人事体制などを丁寧に説明して、納得していただこうと思います。
このように、雇止めでなく解雇と判断されないようにするためには、採用時および更新時に、しっかりと雇用契約書を結び、面談の上、手続きを行う必要があります。
その際に、どういった場合に雇止めがあり得るのか、更新の基準は何かも説明する必要があります。
上記①~⑦を総合的に勘案して、労務問題を発展させないようにしましょう。
まずは、雇用契約書をきちんと締結し、くれぐれも自動更新などしないようにしておきましょう。時々、パートさんや契約社員の雇用契約書を作成されていない、また採用時は雇用契約書が作成されているものの、雇用契約期間がとっくに過ぎているのに更新手続きをしないまま勤務させてしまっている様子をお見かけします。
もちろん、雇用契約書の内容も見直されることをお勧めいたします!!
雇用契約書、雇止め、労務管理について、何か気になることがありましたら、ブレイン・サプライまでご連絡下さい。
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