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平成26年2月号
岡社長の今月のアドバイス『ブラック企業82%って?・・・』
『労務監査の重要性』ほか診断士 松下から見た『これからの採用戦略は逆転の発想で』
BS海外コラム『海外で有名な日本人:西岡京治その2』
コンサルタント小出の今月の気になるキーワード『総合的品質管理「QC7つ道具」散布図』
関与先様からのご投稿株式会社ウェルス・マネジメント代表取締役 濱 昌志 氏より
関与先様からのご投稿ヒーリングスペースフォレスト代表 陣野智巳氏より
労務の寺子屋【法改正編】産前産後休業期間中の保険料免除開始のお知らせ
ブレイン・サプライより自社セミナーのご案内
≪ブラック企業82%って?・・・・≫
厚生労働省は2013年12月17日、若者の使い捨てなどが疑われる、いわゆる「ブラック企業」に関する調査結果を公表しました。この調査は2013年9月から1か月間にわたって行われたものです。そしてその対象となった5111事業所のうち、82%に当たる4189の事業所で何らかの労働基準法違反が見つかりました。同省は違反があった事業所に是正勧告を行った上で、改善が見られない企業については公表のうえ、書類送検する方針です。
上記の労働基準法違反は、具体的には、①サービス残業、②名ばかり管理職、③賃金不払い、④職場のパワーハラスメントetc・・・・、 過重労働による健康障害防止措置の不備が挙げられたようです。 「調査結果は違法行為のオンパレードだった。・・・」 これがマスコミや行政の認識となってきています。
今回の調査によって、約82%の企業が労基法違反として挙げられていますが、その原因として挙げられる要因は①20年来のデフレと②欧米と比べて厳しい解雇制限、更には③毎年上昇する最低賃金があげられると思います。 一方で欧米では労働法制の遵守を厳しく求められるため、軒並み失業率が10%を超えている状態ですが、我が国の11月の失業率は4.0%と前月比横ばいとなっています。 生活保護対象が210万世帯を超えてきている我が国の社会保障の実態を踏まえれば、これ以上失業者や生活保護対象者を増やす訳にはいかず、結果的には欧米並みの厳しさを労働行政に求めることは現実的ではありません。 日本ではまだ景気の足腰がしっかりしていない状態ですので、労働行政には清濁併せのむことが必要な段階と認識していただきたいところです。国は景気がよくなっているとの判断で、この時期に今回の調査を行ったのでしょうが、調査実施のタイミングとしては早すぎたのではないでしょうか。 現時点で儲かっているのは大企業だけであり、これからやっとこさ中小企業の活性化が見られてくるのでは・・・という段階で、残念な行政の勇み足であり、今後の景気の上昇にマイナスとならないかと危惧します。
本調査では82%が労基法違反をしているとの結果が出ましたが、上記①②③に示した通り、デフレによって「失われた20年」とも言われるようにGDPはわずかな成長に止まり、多くの企業は生き残りをかけてコストカットを余儀なくされ、そのしわ寄せが労働者に向かい、人件費のカットが始まり、長時間労働と未払い残業等へと進んできたのです。 そこで日本の行政は失業率のアップではなく、雇用の維持の方にかじ取りを行い、厳しい解雇制限を企業に課しました。ここで止めてくれれば、何とか企業の活性化も図れたものと思われたのですが、さらに追い打ちをかけるように、毎年のように最低賃金を大幅にアップしてきました。
過去に何度もこの紙面で申し上げてきましたが、現在の我が国の賃金水準は昭和57~8年頃の水準(H9年~現在までに17%ダウン)となっています。その当時の最低賃金は時給に換算すると東京都で約400円です。 ところが現在の東京都の最低賃金は869円(昨年度850円)と昭和57年当時の2倍以上となっています。 労働の質(WorkとJob)によって、あるいはキャリアによって最低賃金を柔軟に変動させることが出来れば、企業も活性化すると思われます。
参考) アメリカ平均784円/フランス1,343円/イギリス21歳以上1,079円、18~20歳860円、16~17歳636円 / 2014年度
今後企業は益々コンプライアンスを求められます。 知識社会といわれる現代は、多くの労働者が既に知識や情報を獲得できる手段(PC、スマートフォン等)を有しており、企業の不正行為を容赦なく指摘してきます。またそれを放置していると、いつ内部告発によって企業の根底が覆されるかわからない世の中になってきました。昨年後半に、多くのホテルや飲食業等が食品偽装で叩かれましたが、その大半は内部告発のようです。 (この一連の事件は「誤表示」などと、RM(リスクマネジメント)の観点からは最悪の対応で切り抜けようとした企業が多かったようですが、出征欲に取りつかれた愚かな経営者の自己保身のための断末魔の叫びのように聞こえました。)
私は人間には「良心」 という 「神(内在神)」が備わっていると考えています。 悪いことをするとその「良心(内在神)」がチクリと痛むのです。 従って不正行為・不法行為の放置や強要は多くの社員の「良心」を痛めることに他なりません。 法令違反の放置は企業の衰退を招き、その寿命は短くなります。決してやってはいけません。
また今回の厚生労働省の調査では、労働者からのタレコミ(通報)が約2500件もあったようです。 人の感じ方は百人百様です。厳しい環境でも感謝して働く人もいれば、楽な環境でも文句ばかり言って働かない人もいます。だから我が社は大丈夫だろうと油断していると寝首を掻かれかねません。
≪労務監査の重要性≫
我が社では今年6月で創業5周年を迎えますが、5年後の10周年に向かって、全社員が取組むべき課題として独自開発の『労務監査』をご用意させていただきました。 今後随時、多数の業種に対応できるよう改良していき、全てのお客様に対応できるようにしていきます。この『労務監査』によって、お客様に未来型の人事労務戦略を展開していただく過程において、自社の強みと弱みを明確に知っていただき、トラブルの芽は発生前に摘んでいただけるよう、予防に徹していただけるようになります。 また多くの企業が入り口のセキュリティーが弱く、不良社員の侵入を許し、結果的に労務上のトラブルに巻き込まれていますので、いわゆるブラック社員が侵入できない仕組み作りを構築していけるよう、企業運営を側面からサポートしていきます。 要はウィルスを発病させなければ、どのような社員さんが入社されようと構わないのです。
社内のトラブルはバランスを失ったエネルギーが形になって表れた結果です。 そしてそのバランスを失ったエネルギーは人を通して「怒り」の感情となって表れてきます。 “目には目で(を)、歯には歯で(を)(タリオの法)”は有名なハムラビ法典の196~197条の条文ですが、「怒り」の感情に「怒り」の感情で応えてしまうと、結果的には火に油を注ぐことになり、最悪の場合社内は内部崩壊してしまいます。 「怒り」の感情の裏側には「悲しみ」の感情が隠れています。 トラブルが発生したときは、心に余裕をもって、「成る程、そう来たか!」といったスタンスで受けていただき、相手の「悲しみ」の感情に向かって話しかけるようにしてみてください。 この「悲しみ」が癒されると「怒り」は収まり、恐らく違った結果になってくるものと思われます。 さらに究極は相手の「良心(内在神)」に働きかけるのです。 上手く「良心(内在神)」に伝わればきっとトラブルは解決していくでしょう。「社員は社長の夢の実現のために働いてくださる有難い存在・・・。」 経営者の皆さんが心からそう感じていただけるような会社になっていただくことが当社のミッションです。
≪トイレの神様2≫
全国大学選手権決勝(12日、帝京大41-34早大、国立)大学ラグビー4連覇中の王者・帝京大が早大を41-34で下し、5季連続5度目の優勝。 準決勝までけがで欠場したNO・8李聖彰(4年)に代わり先発した大和田立(4年)は、後半開始から登場。激しい当たりを連発し、「最後の年も優勝できてよかった」と笑顔を浮かべた。ラグビーでは無名の北海道・美幌高出身ながら、地道に鍛えて主力に成長。試合前日の練習後には同級生とともにグラウンドのトイレ掃除を続けた。「嫌がる仕事を4年生が率先してやることで、下級生がそれを見て学んでくれる」と大和田。上級生が規範を示し、部員152人が一体となったことも強さの要因だ。(産経新聞)
私の長男が大学でラグビーをやっている関係で、ここ数年Jスポーツ(ケーブルTV)で各校の試合を観ていますが、ここ数年の帝京大学の強さは群を抜いています。 7~8年前まで優勝の常連であった関東学院大学で不祥事(大麻栽培)が発生し、多くの学生が帝京大学に引き抜かれているのかと思っていました。 ところが実態は高校日本代表に選出される選手は、早稲田大学、明治大学等の伝統校に進学する傾向が強く、決して帝京大学が恵まれた環境とはいえないようです。にも拘らず、4年間で全ての生徒が入れ替わる大学ラグビーにおいて5連覇を達成することは極めて困難なことです。 その強さの秘訣は、栄養管理士をはじめとしたトレーナー・フィジカルコーチがタッグを組んで選手たちのトレーニングやケアも行うなど最先端の技術の導入(今や各大学が真似始めています。)と上記、選手たちの人格形成だったのです。 全部員を寮に入れ、練習と授業の両立、グラウンド内外の規律から学ばせる。 <人の嫌がる仕事を引き受けると運がよくなる>といわれていますが、帝京大学ではそれを4年生がやっているのです。大学の体育会においては“1年生は奴隷、4年生は王様” とよくいわれますが、その王様である最上級生のトイレ掃除をやる姿は下級生の目にどのように映るでしょうか。 指導者の岩出雅之監督は素晴らしいリーダーです。この方のインタビューを聞いていても、人間性の高い方であると分かります。「人をその気にさせ、導くことが出来ること」が未来型の経営者にとっては必須の資質となることでしょう。 帝京大学がこの先何連覇まで記録を伸ばしていくのか楽しみです。
“人は幸せだから感謝するのではありません。感謝しているから幸せなのです”
株式会社ブレイン・サプライ 岡 弘己
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ブレイン・サプライより顧問先様へご案内
消費税改正に関する弊社対応のお知らせ
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、ご存じの通り消費税率が平成26年4月から8%に引き上げられることが閣議決定されました。これに伴う弊社の対応ですが、平成26年4月1日以降に弊社が提供する役務に係る顧問料又は業務委託料につきまして、新税率8%が適用されます。
これを受けまして、平成26年4月分のご請求から新税率8%による消費税をご負担いただくことになりますので、誠に恐れ入りますが、何卒ご理解を賜りますようお願い致します。
診断士 松下から見た
「これからの採用戦略は逆転の発想で」
昨年(2013年)の年末は例年以上に忙しかったという企業が多かったようです。特に今年は、大型連休になった企業も多かったうえ、4月から実施される消費税引き上げを見越した駆け込み需要の影響もあると考えられます。その中で最近よく耳にするのは、
“人が集まらない”
特に顕著なのが中小企業、業種でいえばサービス業、建設・運輸業などです。
例年、ボーナスが出ると動き出す転職市場。ところが最近は特に様相が異なるようです。
いま、中小企業では“人手不足”が深刻化しております。大きな理由としては、
①若年者人口の減少と高齢者の定年退職者の増加
②転職しないで現状の企業にとどまる若年層の増加
③大企業の新卒採用の増加と新卒の大企業志向
などが考えられます。
そのなかで、中小企業が新規採用を行うにあたって、考えていくことは何でしょうか?
多くの場合は、
“大企業ではないから新卒は困難”
“うちは給与が安いから”
“知名度が低いから無理”
など、自社の悪いところばかり見てしまうことはないでしょうか。
新規採用がなかなかうまくいかない中小企業が大企業と同じやり方をしてもうまくいかないと考えます。
まず、一度自社が大企業より優れていることを探すことです。私どもの社員の多くは大企業にもいたことから、実は大企業と中小企業とでの違いをわかることができます。
例えば、先日ある顧問先の企業様とお話をさせていただいたときのことです。
その企業様の営業社員は全員異業種出身者です。そしてお話の中で1つの共通項が見つかったのです。それは、
“土日営業の業種からの転職者”
が多かったことです。特に自動車販売店や不動産営業の出身者がほとんどでした。採用はたまたまハローワークだったり紹介だったりしたようですが、全く未経験の分野でも活躍をされておられます。
また、私が賃金セミナーなどでこんなお話をしています。
「実は60歳以上の賃金は中小企業の方が高い」
ことが多いのです。特に地方では顕著にでています。理由としては、大手企業の場合、一定年齢(55歳くらいが多い)になると役職定年をむかえ、それ以降給料水準がさがります。更に60歳になり再雇用制度が適用されると更にさがります。企業の中には企業年金を60歳から受け取れるところもあるので総手取りで考えると一概には言えませんが、中小企業の場合は、60歳までは同じような賃金、さらに60歳以降も中には金額が変わっていないケースも多いです。
そうした企業の方にお話しするのが、
“大手企業経験者の高齢者の活用”
です。ただし、それには条件があります。
“大企業の社員の意識ではなく、プロフェショナルの1人として会社・社会に貢献する”意欲のある人材であることがポイントです。
更に、65歳を超えた自社の社員に雇用の延長をできる仕組みを考えることです。
10年ほど前、ある中小の製造業の社長様に出会いました。
“うちの会社は60歳定年(当時)だが、その後の定年は社員が決める。
残ってもらう条件は1つ。後進を育成することのみ。“
その企業では、当時80歳を超える社員が週2回、1日5時間来ている人もいました。
勤務日数、時間は自己申告に基づき会社と本人とで決定、その際、後進の育成方法を話すようにしている。
私はこの会社に出会ったのをきっかけに、
“長く社員が勤められる仕組み”を考えることで、
“社員が安心して働ける会社(職場)”を作ることにつながると思うようになりました。
実はこの原稿を書いている今日もまたすばらしい出会いがありました。
数年前に民事再生になり企業買収をされたA社です。A社と買収したB社の社員の混成部隊。両社の幹部クラスが真剣に“今後の将来”を考えておられました。その際出たのは、
“危機感”と“安心”。
一見すると相反する言葉ですが、話をしていると実は同じことだったのです。
“危機感”をおっしゃった方は、“もっと責任を持って取り組んでいこう”
“安心”をおっしゃった方は、“安心して働けるよう取り組んでいこう”
両方とも実は“取り組む”内容としては同じなのです。この言い方1つでもめるケースがあります。色々な考え方を持つ社員が多いですが、
“ベクトルを合わせること”
で会社、社員、家族はよい方向に向かうのではないかと思います。
(“あまちゃん”のオープニング映像に登場する“三陸鉄道”)
(松下 卓蔵)
《海外で有名な日本人:西岡京治その2》
さて、西岡京治氏のお話です。
1992(平成4)年3月26日、ブータンで一人の日本人が国葬に付されました。30年近く同国の農業振興に尽くして、「ブータン農業の父」と呼ばれた西岡京治(けいじ)。葬儀委員長は農業大臣のレキ・ドルジ氏。ブータン西部のパロ盆地を見渡せる丘で葬儀は行なわれました。
葬儀には5千人もの人々が訪れ、西岡の妻・里子と娘の洋子は、和服に似た民族衣装キラに身を包み、弔問客に応対しました。
国王の伯父で厚生大臣のナムゲル・ウォンチュックからの電報も届きました。大臣が視察先のシェムガン県パンバン村から打ったもので、内容はこう記されていました。
「・・・パンバン村の人たちは、あなたのことを尊敬の気持ちをもって覚えており、あなたがふたたび村を訪れてくれることを、心からお待ちしております。
あなたがはじめた開発の仕事はいま、実を結んでいます。村人たちは、「あなたの献身的な働きがなければ、自分たちの進歩はなかっただろう」と言っています。かれらはいつまでもあなたに感謝し続けるでしょう。」
西岡がブータンに定住を始めたのは1964(昭和39)年5月でした。
当時のブータンは農業国なのに、土地も狭く、高地で気候も厳しいため、食料の自給もできない状況であり、ブータン首相は「日本の専門家に来てもらって、農業の近代化を図りたい」という意向を持っていました。その専門家として推薦されたのが西岡でした。
その頃、西岡は大阪府立園芸高校に務める傍ら、大阪府大・山岳部OBとしてネパール探検隊として植生の調査をした経験もあったため、自らも海外技術協力団(現在の国際協力事業団、JICA)にブータンの農業指導への派遣を志願していました。
2年の後に、ようやく事業団から派遣決定の通知が届き、妻・里子と二人で西ブータンの中心地パロに赴任しました。
西岡はさっそく開発庁農業局の事務所に赴きましたが、ここにはインド政府から派遣されたインド人の局長と技術スタッフがいて、西岡が挨拶すると、局長はこう西岡に言いました。
「ブータンの農業は、インド人のわれわれが、一番よく分かっています。あなたがいきなり、海のかなたの日本の農業技術を持ち込んでも、成功はおぼつきませんよ。ブータンの人たちは、昔ながらの農業を続けていて、その方法をなかなか変えようとしない。」
いきなりこう言われて西岡はかちんと来ましたが、よく聞いてみると、本格的な農業試験場一つ持っていないことが分かりました。
西岡はブータン政府に頼み、200平米ほどの田畑を借りました。政府は実習生も付けてくれましたが、それは12、3歳の少年3人だけでした。西岡は、まず彼らにダイコンの栽培を教えることから始めました。
ダイコンは昼と夜との気温の差が大きいほど、よく育ちます。3ヶ月ほど経って、引っこ抜いてみると、30センチほどにも育っていて、少年たちは思わず「わあ、ずっしりと重い」「日本の野菜のタネはすごいや」。
さらにトマトやキャベツなども作り出すと、噂が広がって、知事や国会議員なども試験栽培の田畑を訪れ、「うちの県でも作れようか」「わしの村でも、こうした野菜が作れたら、どんなにいいだろう」と言い出しました。
さらに、その一人の勧めで、人の集まるパロ城の入り口に野菜を並べると、「うちの村にも、野菜作りの手ほどきをしてもらえまいか」「タネを分けて貰えると、ありがたいのだが」と大きな反響がありました。
1966(昭和41)年3月、海外技術協力団からの2年間の派遣期間が過ぎようとしていた頃、ブータン開発庁の担当官がやってきて重大な話を持ちかけました。
「国王が、「パロにしかるべき試験農場用の土地を探し、ニシオカに農場の運営をまかせようではないか」と、おっしゃっておられるのです。いかがでしょうか?」
パロの長老たちも土地探しを手伝い、7.6ヘクタールの理想的な土地が見つかりました。斜面の上段には、カキやモモ、ナシやリンゴの試験果樹園、中段を野菜畑、下段を水田としました。道をつけ、石垣を積み、水路を引くのは、すべて手作業で自分たちで行いました。こうしてブータンで最初の本格的な試験農場が開かれ、「パロ農場」と名づけられました。
農場ができると、西岡は近隣の村の長(おさ)たちにも、見学に来るように勧めました。畑には、ダイコンが青々と葉を広げ、エンドウ豆がかれんな花をつけ、カリフラワーもキャベツも大きくなっています。「いやあ、たいした畑だ。わしらにも、こうした野菜が造れるようになるだろうか?」
彼らは種を持ち帰り、西岡や実習生が栽培の技術を指導しました。立派な野菜が作れるようになると、西岡はパロ農場や近隣でとれた野菜をトラックに積み込み、45キロ離れた首都ティンプーに売りに行きました。
中央広場に野菜を並べると、トラック1台分の野菜が3時間ほどで売り切れました。首都でも野菜が売れると分かれば、他の村の人々も、野菜作りに関心を示してくれる。またパロ農場の売上は、試験農場の運営に役立てられる。やがてはインドに野菜を輸出したいと、西岡の夢は広がります。(この項続く)
(参考文献:伊勢雅臣「国際派日本人養成講座」、国際留学生協会「向学新聞」、国旗の重み「西岡京治物語」)
(坂井 優)
《第20回:総合的品質管理「QC7つ道具」散布図》
今回は、総合的品質管理の視点「QC7つ道具」の散布図についてご紹介致します。前回同様、製造現場のみならず、事務所内間接業務の業務品質の改善にもご活用ください。
③散布図
散布図は、2つの特性を横軸と縦軸とし、観測値を打点して作るグラフです。2つの特性の相関を解析する場合に利用します。散布図上の点の散らばり方によって、相関関係の有無を把握することができます。
①お互い(横軸と縦軸)の関係の傾向をみる
有る・無し、正の相関・負の相関など
②お互い(横軸と縦軸)の関係の度合いをみる
強い相関・弱い相関など
例えば、営業担当者を対象に、「コーヒーをたくさん飲むと営業成績が良くなるか?」という仮説を設定し、実際にある一定期間のコーヒー摂取量と営業成績との相関を散布図にて分析したとします。その場合、集計した結果は前掲のグラフのどれかのパターンになります。
正の相関が強ければ、コーヒーをたくさん飲めば成績が良くなるという仮説が成り立ちますので、その先の科学的分析(コーヒーの成分が営業の業務品質を上げることができるのか)に入ります。一方で、弱い相関や無関係と考えられる場合は、グラフの中でたくさんコーヒーを飲んだ人の成績がなぜ良かったのかを分析すると、一部の営業成績優秀者は残業が多く、その残業時間中にたくさんのコーヒーを飲むという行為を行っていることが分かるかもしれません。ここでは、営業成績が良い人の一部の特性(コーヒーをたくさん飲む)をすべての人に当てはめて考えてはいけないことが分かります。このような思い込みや先入観を、科学的な管理手法を用いて排除していくことが業務品質の作り込みにつながります。
(小出 貴巳)
特別投稿【諸事百景】その2
株式会社ウェルス・マネジメント
代表取締役 濵 昌志氏
「ジャパンブームに寄せて」
皆様、新年明けましておめでとうございます。いいお正月をお過ごしの事と存じます。私も今年は午年の年男なので昨年は体調崩しましたので心機一転、頑張ろうと思っております。今年もどうぞ宜しくお願い致します。今年はお正月明けから厳しい寒さが続きますね。米国ではナイヤガラの滝が凍結するなど恐ろしい寒さですね。さて昨年後半位からジャパンブームというか、日本の自然や文化や、工業製品、経済力、はたまた日本食など、日本の色々なことが世界で認識、再認識され高い評価を得ているようで太平洋戦争の戦禍の名残の中で幼少期を過ごした年代の私にとりましては大変誇らしい思いが致します。各種の製品に「メイド イン ジャパン」と表記する効用が、日本の技術を外国に持ち込み製品化しそれを「メイド バイ ジャパン」と記すことでも得られるということはここまで達したのだなと感慨深くなります。我々の幼少期は「メイド イン ジャパン」とは「安かろう、悪かろう」の代名詞の様な使われ方をされていましたので。ここら辺の色々な事例のご紹介は今回の私の任にあらずということで今回は皆さんが案外ご存知ない(当然私も知りませんでした)日本語の日常用語の語源をご紹介させて頂きます。まあいいカッコを言えば日本語文化再考みたいな感じで、くだけて言えば「こんな事 知ってますか?」程度のことです。
先日、我々が普段何気なく使用している用語の多くが仏教用語から意味を転じながら使われてきたことをあるお寺の冊子で知りました。例えば入門編的な言葉から始めますと「そんなにシャカリキになるな」という言葉がありますがこの「シャカリキ」、辞書には「躍起になって物事をする様」とあります。実はこの言葉は釈迦の力を表していると言われます。理由はお釈迦様は衆生救済の為、生涯あらん限りの力を尽くされましたので、そのことを喩えて懸命に取り組み、励むことを意味するようになったそうです。故に「釈迦力」。この辺は何となくご理解いただける様な気が致しますが中級編の意外な感のある領域に進めます。「経営」という言葉があります。この言葉を聞けば現在ではだれでも事業、会社経営のことを思い浮かべます。しかしこの言葉は実は仏教用語なのです。そもそも「経」とは、はかる、計画することを意味し「営」とはいとなむ、実行することです、従って「経営」とは目標を定め、力を尽くして励むことを原義としますがこの方向性を人間形成に向けて自己の完成を目指して工夫を凝らし努力を重ね整えていく、このことを称して使われていました。例えば「正法眼蔵」に「上品経営」という言葉が出てきますがそれは「極楽浄土の最高位に到達できるように信心を深め精進すること」を意味します。また「仏恩報謝」とは「身口意(身体と口と心)をもって、ひたすら精進する」という意味です。いわば「人間経営」とでもいうべきものでしょうか。それがやがて「天下を経営する」という言い方が生まれ、自分の心の問題だけではなく、その方向性を外に向かっての努力にも使われるようになり、いつしか経済用語にも転用されて現在の意味に定着したということです。皆様如何でしょうか。意外でしたか。
<濵 昌志氏 略歴・ご趣味>
1954年大阪生まれ、同志社大学経済学部卒業後。大手アパレルメーカーに勤務後、ソニー生命保険に入社、保険会社数社を経て、知己の税理士の協力を得て2010年の秋に会社を設立。
★★★関与先企業様ご紹介★★★
ヒーリングスペースフォレスト
代表 陣野智巳氏
皆様はじめまして。私は九州で前世療法を主体としたカウンセリング・ヒーリングを行っています陣野です。岡社長様とは10年来のお付き合いで、いつも大変お世話になっています。
当方では、今まで2500人以上(H25.12.30現在)のクライアント様の問題と向き合い、根本の原因の解決のお手伝いをしてまいりました。
具体的には、幼児期や胎児期のトラウマの解消。さらには前世の記憶を呼び起こし、前世からの影響を解放して、今回の人生の深い意味を明らかにすることによって、本来の素晴らしい自分に戻るというセッションを行っています。
人生は全てあなたの思い通りになっています。と言われるとどうでしょう。「そんなことはない。幸せになりたいのになかなかなれないし、思い通りに行かない事が多い!!」と言いたくなる人も多いでしょう。以前は私もそう思っていました。しかし、それでも思い通りになっているのです。
では、どういう思いが現実化しているか。それは、あなたが自分や世の中をどういう前提や思い込みで見ているか。その前提に基づいて出来事が起きてくるのです。あなたは自分や世の中をどういう前提で見ていますか?
「素晴らしい私」「素晴らしい世の中」「素晴らしい仲間」と思えていますか? 「ダメな私」「大変な世の中」「人も自分も信じられない」とどこかで思っていませんか?
「ダメな私であっても、幸せになりたい」「みんなのお役に立ちたい」「強くなりたい」「人の痛みが解かる優しい人になりたい」と思っている方も沢山いることでしょう。もちろんそれは素晴らしい望みです。しかしダメな私が大変な世の中で強く優しく、そして幸せな人になるためにはどんな体験が必要になるでしょう。
人の痛みが解かるためには、痛みを体験する必要があります。より強くなるためには、自分より強い相手や荒波が必要になります。そうすると痛みや負け続けるという体験が起きてくるのです。そして「ほらやっぱり、私なんて…」という確信に変わっていきます。
さらに、人によっては様々な前提や思い込みがあります。例えば「ダメな私は苦労しなければいけない」「こんな私は寂しい思いをして当然だ」「大変な世の中だから負けてはいけない」「誰も信じられないから本心を言ってはいけない」「一人が安心だ」「本心を言うと否定される」「自由に生きてはいけない」「お金は諸悪の根源だ」という方もいます。あるいは「こんな私は幸せになってはいけない」「愛情を得るためには心配してもらう必要がある」「信頼を得るためには弱みを見せてはいけない」と奥底で思ってらっしゃる方も、かなりの確率でいらっしゃいます。そうすると必要以上に頑張ったり、自分を出せなくなったり、自由に生きることが出来なくなったりするのです。さらには寂しさや不安感や怒り、さらには無力感や諦めを抱くようになることにもなります。その思いが現実化しはじめるのです。
「苦労しなければ幸せになれない」と思い込んでいれば、当然苦労を手放さなくなりますし、目の前に幸せがあっても、それを受取ろうとはしません。「世の中は大変だ」と思っていれば、常に戦わなくてはいけませんし、戦う相手が必要になってきます。それを続けて、いったいいつになったら幸せになれるのでしょう。
「幸せになるためには」「素晴らしい自分になるためには」「愛されるためには」の前にあなたはどんな前提を置いていますか? 世の中や人間関係や自分に対して、どんな思い込みがありますか? その前提や思い込みが現実化しているのです。そうやって、実は全てあなたの思い通りになっています。言いかえれば、自分で勝手にルールや制限を作って、そのルールの中で悪戦苦闘しているようなものなのです。
ではその「ダメな」「大変な」「いやな」という否定的な前提が変われば人生は大きく変わるということになります。今までもあなたの思い通りになってきた。ということは、これからもあなたの思い通りになっていく。では「今のあなたの思いが変われば、明るい未来が開けていく」ということなのです。無意識にかけていた制限や足かせが外れ、あなたの本当の力が発揮されるのです。
ではさらに、なぜそんな否定的な前提を持つようになったのか。そこにはいくつかのパターンがあるようですが、幼少期に親や周りから刷り込まれたり、自分の前世の体験(失敗など)を引きずってきている場合がほとんどのようです。それは魂の奥底(潜在意識)に刻み込まれていますので、いくら頭(顕在意識)で変えようと思っても、なかなか変わりません。
そこで、前世療法・催眠療法がとても有効になってきます。ネガティブな思い込みや、自分を否定するようになったさらなる原因である、罪悪感や自責の念や恐怖心、自己否定を抱えるようになった過去(前世も含めて)の出来事を、自分で思い出すことで、思い込みの本当の意味がわかり、解消することが出来ます。
さらに、単に前世を思い出していただくというだけではなく、この地球という魂の学校のシステムを理解し、人生の深い意味や生まれてきた目的、今起きている問題の本当の意味を理解することによって、深い気付きを得、本来の自分に戻ることによって、真の幸せな人生を歩むことが出来るようになるのです。
「子供が親を選んで生まれてくる。」という話は聞かれたことがあるでしょう。それは、まさに真実です。あなたが自分にとって必要だと思った体験をするために、今のご両親や、環境を自ら選んで生まれてきたのです。そして今も、仕事や人間関係を通じて、その選択は続いています。
ではなぜ辛い思いや、苦しい思い、寂しい思いをする環境や状況をわざわざ選んだのでしょうか。
そこには前世の体験を通じた魂レベルの深く、そして素晴らしい理由が隠されているのです。その理由に気付くことによって、全てが感謝に変わってきます。
確かに辛い事や苦しい事はあったけど、実は何一つ悪いことは起きていなかったことに気付くことができるのです。今までの辛く苦しい体験を通じて身につけたものが、全て宝物に変わり本当の人生が始まります。
そして、今までの出来事も全て自分が選択していたことが心から理解出来れば、これからの人生も全て自分の思い通りになるということがわかります。その思いが変われば、何の遠慮もなく幸せを手に入れることが出来ますし、自分や皆の幸せのために、あなたの本当の力が発揮できるようになります。人生のとらえ方や生き方や流れが、大きく変わっていきます。
<ブレインサプライ編集部よりお知らせ>
関与先のみなさま、ご多忙の中、毎度ご愛読いただきまことにありがとうございます。
今月号よりおなじみの「労務トラブル110番」と「労務なるほど!質問箱」が合体し、「労務の寺子屋」としてリニューアルさせていただきました。気になる内容ですが、労働法に関する事項や、トラブル事例の解決法、社会保険・労働保険手続き業務やコスト削減、法改正情報等総合的でかつ多角的に盛りだくさんな内容を企画しておりますのでお楽しみに・・・。
平成26年4月から産前産後休業期間中の保険料免除が始まります
少子高齢化が順調に(?)すすんでいる我が国。その対策、次世代育成支援の一つとして今までの育児休業と同じように、いよいよ産前産後休業を取得した場合の保険料免除制度がスタートします。
●産前産後休業期間中の保険料免除
対象となる方
平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了となる方(平成26年4月以降の保険料)
免除期間
産前産後休業期間中(産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間)の保険料が免除されます。
手続き
事業主の方は『産前産後休業取得者申出書』を提出する必要があります。
「産前産後休業取得者申出書」は、産前産後休業期間中に提出してください。
★産前産後休業期間中の保険料免除の手続き例はこちらをご参照ください↓↓
http://www.nenkin.go.jp/n/data/service/000001674194EWe5gfHi.pdf
●産前産後休業を終了した際の標準報酬の改定
対象となる方
平成26年4月1日以降に産前産後休業が終了となる方
改定の時期
産前産後休業終了後に報酬が下がった場合は、産前産後休業終了後の3カ月間の報酬額をもとに、新しい標準報酬月額を決定し、その翌月から改定します。
手続き
被保険者の方(事業主経由)は『産前産後休業終了時報酬月額変更届』を提出する必要があります。
※注意:産前産後休業を終了した日の翌日に引き続いて育児休業を開始した場合は提出できません。
●産前産後休業を開始したときの標準報酬月額特例措置の終了
3歳未満の子の養育期間に係る標準報酬月額の特例措置(年金額の計算時に、下回る前の標準報酬月額を養育期間中の標準報酬月額とみなす)は、産前産後休業期間中の保険料免除を開始したときに終了となります。(「養育期間標準報酬月額特例終了届」の提出は不要)
今回の改正により、産休中と育休中の双方の保険料が免除されることで費用と事務上の負担が軽減されコスト削減に直接つながることになります。出産育児期に仕事を継続する国の制度は年々整備されてきています。社員さんのワークライフバランスを考慮し、制度を上手に利用されてみてはいかがでしょうか?
(木村佐和子)
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