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令和2年4月号

query_builder 2020/04/10
サプライ通信

岡社長の今月のアドバイス
●『大東亜戦争から学ぶリーダーシップ⑪』
●『東西の聖地・三つ鳥居訪問!』
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労務の寺子屋
『新型コロナウイルス感染症の
影響による企業等の支援策について』
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関西事務所便り
『インド デリーへ』
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今月のご縁むすび
『天創堂株式会社 粕井 健次さん』
BSカウンセラーの会 ~心の保健室だより~
『相談しやすい職場環境づくりのために』
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BS企業名鑑 『株式会社マルマンストア
代表取締役社長 日越 洋治 氏』
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ブレイン・サプライ ニュース
『新型コロナウイルス対策についてのお知らせ』
『新入社員ビジネスマナー研修
4月2日 東京開催』延期のお知らせ
『新入社員ビジネスマナー研修
4月3日 関西開催』延期のお知らせ

大東亜戦争から学ぶリーダーシップ⑪







第11回目は、山下 奉文陸軍大将((写真①)やました ともゆき、1885年(明治18年)11月8日 – 1946年(昭和21年)2月23日)です。
日本の陸軍軍人であり、陸士18期・陸大28期・恩賜の軍刀拝受(成績6位の優秀者)、最終階級は陸軍大将。位階勲等は従三位勲一等功三級、高知県長岡郡大杉村(現大豊町)出身です。
(写真②マレー作戦)
(写真③シンガポールにてパーシバル中将との降伏交渉)
山下奉文大将はマレーの虎と米英に恐れられた「猛将」とのイメージの将軍ですが、現実は「仁将」のイメージの方が強い軍人です。2・26事件の際に皇道派とみなされ、昭和天皇に疎まれたことでエリートコースから外れ、後々の山下大将の運命に影を落としたようですが、詳細は割愛します。一般的には20数年前にフィリピンで「山下財宝」や「M資金」などとテレビで持て囃されたことで有名な方です。
山下大将は当時難攻不落の要塞といわれた英領シンガポールを攻略するという大きな戦績を上げましたが、当時の首相東條英機(陸軍大将)にも疎まれていたことから、凱旋帰国の際にも天皇陛下に拝謁を許されず、その後はほぼ無風状態の満州に配置され、大きな作戦を任されることはありませんでした。その後日本の敗戦色が濃厚となった1944年(昭和19年)に第14方面軍司令官として起用され、日本軍占領下のフィリピンの防衛戦の指揮をすることになりました。
ところがその前に起きた陸海軍共同で実施した台湾沖航空戦で大本営発表として敵空母11隻撃沈、8隻撃破との戦果報告があり、米軍機動部隊の航空機は壊滅しているとの認識のもと、フィリピン・レイテ島決戦を大本営と陸海軍からごり押しされた形での戦いとなってしまいました。
実際には敵巡洋艦2隻撃破のみで、戦果報告は全くの誤報であることが判明しましたが、大本営は戦果修正を行わず、また誰も責任を負わず、敵航空兵力は温存されたまま、その後行われたレイテ沖海戦で、戦艦武蔵をはじめ空母4隻、巡洋艦3隻など、多くの艦艇を失っていました。
そのような中でのレイテ島決戦のごり押しです。そして惨敗。続くルソン島での攻防戦では、山下大将は山岳地帯での開戦を望みましたが、またもや大本営の横やりで、台湾沖航空戦で米機動部隊の航空兵力は壊滅状態との認識のもと、マニラ市街での攻防戦となり、10万人に及ぶマニラ市民が死傷しました。その多くが米軍による艦砲射撃と空襲によるものであったにもかかわらず、戦後その責任を全て負わされ、戦後最短の昭和20年12月23日に処刑されました。
因みに極東軍事裁判(いわゆる東京裁判)において東條英機元首相始めA級戦犯とされた軍人や政治家が処刑されましたが、その日も昭和23年12月23日です。
米英の怨念がこもった日なのですが、何と!当時の皇太子殿下、現上皇陛下の誕生日ではないですか!
当時の有識者にとっては許しがたい暴挙ととられる行為です。
私がアングロ・サクソンとその裏で糸を引くユダヤの研究をするきっかけとなったのが、この彼らの重要行為実行日に秘められた怨念の周知方法にあるのです。彼らは日本人のように起きたことは「水に流す」ことができません。
敵対民族にとって大切な日を汚す行為を行うことによって、復讐を果たしていくのです。(9.11や3.11なども・・・!?)
我々はこのことを忘れず、理解した上で外交を進めていかなければなりません。日本以外の国では嫌なこと、悲しいことを「水に流す」ことは極めて困難なことなのです。
話は戻ります。
私は、山下大将は軍人の道を歩むのではなく、政治家の道を歩んでほしかったと思います。戦後の混乱期にこそ必要な人材であったと考えております。
山下大将は、昭和20年12月23日の処刑の40分前に、教誨師(きょうかいし:収容者や受刑者の徳性の育成や精神的救済を目的として行われる教誨に従事する者のこと)の森田正覚氏に日本人へ向けた遺言を残しました。その内容の一部の要約を下記に記しますが、彼が最後に伝えたかったのは軍人の道を歩んだ自己の行いに対する自責の念と、自由を貴び平和を追求する新しい日本に対する理想の姿でした。
・・・・其の第一は義務の履行ということであります。・・・・
私の解釈)
戦争を通して人の弱さを目の前で見てきたから言えることで、戦中の軍隊における支配下の中での命令ですら、義務の履行は実行されなかったことが多々あったようです。敗戦続きで軍紀が乱れていたのでしょう。
戦後復興という重責を担う日本人に対して、まず第一に実行してほしいことがこの「義務の履行」であったようです。
・・・・第二に、科学技術の振興に重点を置いていただきたいのであります。・・・・
私の解釈)
特攻のように肉体を武器にせざるを得ない今回の戦争、科学を無視した精神論で結果的に多くの将兵や国民を死に至らしめた後悔と、原子爆弾のような数十万人の人民を一瞬にして殺戮する兵器を使用しようとする意志を持たない国家運営を行って欲しいと希望しました。そして、山下大将が望む科学の振興とは人類を破壊に導くための科学ではなく、未利用資源の開発或いは生存を豊富にすることが平和的な意味において、人類をあらゆる不幸と困窮から解放することにつながるため、その手段としての科学の振興を未来に託しました。
・・・・第三に申しあげたいことは・・・特に女子の教育であります。・・・・
私の解釈)
ドイツやスイス留学のある山下大将は、日本女性の参政権は欧米と比較して十分なものではなく、戦前は従順と貞節がもてはやされていた。しかし、それだけを尊重するのではなく、自ら古い殻を破り、高い教養を身につけ、行動力のある存在として女性としての能力を発揮していって欲しいと希望されました。
女性の自由の権利は自ら勝ち取ったものではなく、占領軍から与えられたものとしてとらえられてしまうと女性の能力向上に寄与しないため、強い意志をもって女性の教育に力を入れていってほしい・・・。
・・・・最後にもう一つ申し上げたいことは。・・・・
母としての責任の中に次代の人間教育という重大な本務の存することを切実に認識して頂きたい・・・
私の解釈)
現代教育は学校から始まったとされているが、大きな間違いである。幼児教育の根幹は家庭が主であり、最も教育に適当なる存在は母親である。(戦前の考え方ではありますが、私は同意します/特攻隊員が無線で、敵艦突入前の最後の瞬間に叫ぶ言葉の大半は「母さん!」だったそうです。ちなみに「父さん!」は一件もなかったそうです(涙))
更に、「皆さんは全精力を傾けて、子女の教育に当たっていただきたいのであります。然も私のいう教育は幼稚園或いは小学校入学時をもって始まるのではありません。可愛い赤ちゃんに新しい生命を与える哺乳開始の時をもって始められなければならないのであります。愛児をしっかりと抱きしめ乳房を哺ませた時、何者も味わうことのできない感情は母親のみの味わい得る特権であります・・・・・・・。愛児が大人となった時、自己の生命を保持し、あらゆる環境に耐え忍び、平和を好み、協調を愛し、人類に寄与する強い意志を持った人間に育成しなければならないのであります。・・・」
私(岡)は男ですので、子供は産めません。幼少の頃、病弱であった私は、常に母の看病を受けておりました。父は仕事で夜遅くしか帰ってきませんでした。躾はほぼ母から受けました。(今は多少ボケが入っていますが・・・。)
この第四の遺言の個所で、母の恩を感じ、涙がこみ上げてきました。母と祖母から同じように諭されてきた言葉は「立派な大人になりなさい!」でした。日本女性の美しさ、優しさ、清らかさを次世代に繋いで(男ですが・・・)いかなければと強く感じました。



山下大将は牢獄の中で、あるいは1年近くのフィリピン奥地の塹壕の中で、日本の未来像を真剣に考えていたのでしょう。彼の遺言の中には、自分の過去への回顧も言い訳もないが、当時の日本の末期的な状況を、自分への猛省もこめて怜悧に分析して、あり得るべき日本への最後の言葉を残されたのです。4つの遺言のうち2つは女性への提言でした。写真①~
⑤のように見るからに男の匂いのする生粋の軍人であった山下大将は、処刑の40分前にこのことを日本国民に伝えたのです。
最後に山下大将がおっしゃった言葉が、「これが皆さんの子供を奪った私の最後の言葉であります」でした。一切の言い訳をせず、理不尽な裁判を正々堂々と受け止め、死に際しては、日本の行く末を案じて、魂に響く言葉を残されました。裁判に立ち会った多くの連合国側の軍人たちが感銘を受けたそうです。山下大将の生き様に感謝です!



東西の聖地・三つ鳥居訪問!

神社にはよく、「呼ばれていく」という言葉を使われますが、まさに令和2年に入って、立て続けに、呼ばれて訪問している状況です。
中でも三つ鳥居で有名な秩父の三峰(みつみね)神社と奈良の大神(おおみわ)神社を訪問できたことは幸運でした。三つ鳥居は、なんと日本全国に約8万5千の神社がある中で、わずか7つしかないそうです。
❶三峰神社(埼玉県秩父市) :関東屈指のパワースポットで、狛犬はその昔、農作物を荒らしたイノシシを退治した狼が祭られています。
❷美和神社(長野県長野市) :創立年月も不明なほど古い時代のものです。
❸三輪神社(愛知県名古屋市):この鳥居の前で拝めば御利益三倍という言い伝えがあるそうです。
❹大神神社(奈良県桜井市) :神殿をもたず三輪山自体を御神体とされています。
❺檜原神社(奈良県桜井市) :天照大神が巡幸された地は「元伊勢」最初の遷座地「笠縫邑」とも言われています。
❻坐摩神社(大阪府大阪市) :昔から住居守護、旅行安全、安産の神として信仰されています。
❼白峰宮(香川県坂出市) :崇徳上皇が祭神で別名が(あかりのみや)とも呼ばれています。
まず三峰(みつみね)神社です。1月8日の参拝日当日は小雨が降っておりました。東京駅から車で3時間弱、150kmの距離です。



高速を利用し花園インターから下道を走ります。途中国道140号線走行時にバイク乗りが一度は立ち寄ってみたい「大滝食堂(写真①~③)」を通過します。ここはバイク乗りしか興味がありません。何故ならお弁当箱がバイクのタンク上になっているからです。






メニュー例)豚のから揚げ弁当です。
◆ノーマル 1000円
◆ボアアップ ごはん大盛り 1100円
◆Rバージョン 肉増し 1200円
◆フルチューン 1300円
バイクに興味のない方には全く惹かれるものはありません。当日は関西から2名の方がご同行いただいておりましたので、今回は残念ながらスルーさせていただきました。
三峰神社(写真④)は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が創始したと伝えられていて、境内には日本武尊の大きな像(写真⑤)もあります。
秩父三社(寳登山(ほどさん)神社、秩父神社、三峰神社)の中ではもっとも高いところにあり、標高約1100mです(写真⑤⑥)。山間部である秩父市街地でも海抜約240mくらいですので、相当な山奥にあります。山頂ではまだ雪が積もっておりました。











横には狼の狛犬(写真⑨)が神社を守っています。参道を進むと1691年建立の隋身門(ずいしんもん写真⑩)が見えてきます。ここからは雰囲気ががらりと変わり、厳かな雰囲気となってきました。今回の目的は今年の2月4日の節入りから始まる天中殺を無事乗り切るためです。樹齢800年の神木重忠杉(⑪)を超え、本殿(⑫⑬)にて無事参拝を済ませ、御朱印帳に記入していただきました。日本武尊から、秩父の山々から大きな力をいただいた気がいたしました。











次に大神神社です。2月11日の建国記念日に、ご縁をいただきまして奈良の橿原神宮(写真⑭)の紀元祭に参加させていただきました。その際同時に大神神社(⑮~⑰)にも正式参拝させていただきました。
ここもまた良い「氣」が充満したパワースポットでした。









大神神社は、『古事記』や『日本書紀』に記される日本最古の神社です。出雲の大国主神(おおくにぬしのかみ)の前に現れた大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が、三輪山(写真⑱)に祀ることを望まれ、鎮(しず)まられたそうです。
ご祭神がお山に鎮まっていることから、本殿を設けず、古代より人々は三輪山に直接、祈りを捧げてきました。
神社の「社殿」というものができる前から信仰されてきた大神神社では、その原初(げんしょ)の神祀りを今に伝えているそうです。



大神神社は本殿がありませんので、拝殿(写真⑰)の奥にある三ツ鳥居を通して拝みます。ここでも三つ鳥居に出会いました。何かすごいご縁があるのではないかと思いました。この鳥居(写真⑱)は明神型の鳥居を横一列に組み合わせた独特の形式ということで、「三輪鳥居」とも呼ばれているそうです。中央の扉に御扉(みとびら)があり、三輪山を本殿とすれば、三つ鳥居(みつとりい)は本殿の御扉の役割を果たしています。
古い神社は山全体がご神体となっています。昨年訪問した茨城県の日立にあるお岩神社も背後の山が全てご神体でした。今回訪問した大神神社も背後の三輪山からの神々しい、清々しい「氣」が流れてきます。年内に再度ここを訪問し、三輪山を登り、大物主大神にお会いしたいと思っております。

皆さんもご一緒に聖地参拝、如何ですか!



昨年末に中国・武漢で発した新型コロナウイルス感染症は現在も勢いがとまらず、国の施策で学校の一斉休校や、可能な企業ではテレワーク、時差出勤など柔軟な働き方で対応している現状となっています。また、経営自体に大きな影響を受け、会社の存続や安定的な雇用の確保に陰りがみえてきている業種、会社もある状況となっており、社会全体のバランスの維持が難しくなっている緊急事態になりつつあります。
このような事態に対して、国が企業等に対して支援する取り組みがありますが、今回は従業員が安心して働くことができる環境整備のための支援策としての助成金の概要についてお知らせいたします。

1.雇用調整助成金

雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた企業等が休業した場合に、休業させた従業員に休業手当を支払わなければなりませんが、その休業手当の一部を国が補助する制度です。この雇用調整助成金を受けるためには一定の支給要件を満たし、かつ所定の手続きで休業させて休業手当を支給することが必要になりますが、今回のコロナウイルス感染症の影響を踏まえ、支給要件を緩和する下記の特例措置が設けられています。(赤字箇所は今回の要件緩和等の特例措置です。さらに4月1日から6月30日までの緊急対応期間だけに適用される措置もあります。(下線部分))
*休業のほかに、教育訓練を実施した場合、または他社に出向した場合も対象になります。

(1)受給できる金額


*受給限度日数は1年間で100日分、または3年間で150日分
※過去の受給日数にかかわらず、今回特例の対象となった休業等の限度日数までの受給が可能

(2)支給対象

①支給対象企業等:雇用保険適用事業所である企業等 ※今回の特例措置は、新型コロナウイルス感染症の影響をうける企業等 ②支給対象労働者:雇用保険被保険者 ※通常は、その企業等における被保険者期間が6か月以上必要ですが、6か月未満でも支給対象になります。また緊急対応期間では、雇用保険被保険者でなくても支給対象となります。

(3)主な支給要件

①最近3か月の生産量、売上高などの生産指標が前年同期と比べて10%以上減少していること。
※生産指標の確認を3か月から1か月に短縮しています。(提出があった月と対前年同月比で比較)
②雇用保険被保険者数および受け入れている派遣労働者数の最近3か月の月平均人数が、前年同期と比べて一定規模以上増加していないこと。
※一定規模以上増加していても支給対象となります。
③過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある企業等については、直前の支給対象期間の満了日の翌日から1年を超えていること
※直前の支給対象期間の満了日の翌日から1年以内であっても、対象となります。
④休業等について、労使協定を締結していること。

(4)支給手続き

①企業等が指定した1年間の「対象期間」について、実際の休業等を行う「判定基礎期間」(概ね1か月)ごとに事前に計画届を提出。
※計画届の事後提出が令和2年6月30日まで可能となります。
②支給申請は、「判定基礎期間」終了後、2か月以内。

2.新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金

新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規・非正規を問わず、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業等に対する助成金です。

(1)受給できる金額

有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額の100%
*具体的には、対象者1人につき、対象者の日額換算賃金額×有給休暇の日数により算出した合計額
*ただし、日額換算が8,330円を超える場合は8,330円

(2)対象となる子ども

令和2年2月27日から3月31日までの間に
①新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども
②新型コロナウイルスに感染した又は風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある子ども

(3)対象となる保護者

・親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母等)であって、子どもを現に監護する者等
・雇用保険被保険者だけでなく、雇用保険被保険者でない方も対象になります。

(4)対象となる有給の休暇の範囲

①春休み、土日・祝日に取得した休暇の扱い


*半日単位の休暇、時間単位の休暇も対象。
*休暇制度について就業規則や社内規定の整備を行うことが望ましいですが、就業規則等が整備されていない場合でも要件に該当する休暇を付与した場合も対象。
*年次有給休暇や欠勤を事後的に特別休暇に振り替えた場合も対象
(4)支給手続き
令和2年6月30日までに申請

3.新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース(時間外労働等改善助成金)

新型コロナウイルス感染症対策を目的としてテレワークを新規で導入する中小企業等に対して助成する時限的な助成金です。

(1)対象企業等

新型コロナウイルス感染症対策を目的としてテレワークを新規で導入する労災保険に加入する中小企業等
※試行的に導入している事業主も対象となります

(2)助成対象の取組

・テレワーク用通信機器の導入・運用(パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象外)
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング 等

(3)主な要件

事業実施期間中に ・助成対象の取組を行うこと
・テレワークを実施した労働者が1人以上いること

(4)助成の対象となる事業の実施期間

令和2年2月17日~5月31日

(5)支給額

助成対象となる取組の実施に要した費用の1/2(1企業当たりの上限額:100万円)

4.職場意識改善特例コース(時間外労働等改善助成金(2020年4月より「働き方改革推進支援助成金」)

新型コロナウイルス感染症対策として労働者が利用できる特別休暇の規定を整備する中小企業等に対して助成する時限的な助成金です。

(1)対象企業等

新型コロナウイルス感染症対策を目的として労働者が利用できる特別休暇の規定を整備する中小企業等

(2)助成対象の取組

・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
・就業規則等の作成・変更
・人材確保に向けた取組
・労務管理用ソフトウェアの導入・更新
・労務管理用機器の導入・更新
・デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
・テレワーク用通信機器の導入・更新
・労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

(3)主な支給要件

事業実施期間中に ・新型コロナウイルス感染症対策として労働者が利用できる特別休暇の規定を
整備すること
・助成対象の取組を行うこと

(4)助成の対象となる事業の実施期間

令和2年2月17日~5月31日
*計画の事後提出も可能で、2月17日以降の取組で交付決定より前のものも助成対象

(5)支給額

助成対象となる取組の実施に要した費用の3/4(1企業当たりの上限額:50万円)

このほか、国をはじめ公的金融機関等では、新型コロナウイルスの影響で資金繰りに支障のある事業者などに対して、特別の貸し付けや、実質無利子融資など様々な支援策を行っています。
また、社会保険料や国税、地方税の支払猶予または減免措置も行われることになっており、今後緊急経済対策によりさらに拡充していくことも予想されます。

中小企業等に対する支援施策につきましては、当社のサプライ通信やWeekly Newsで随時情報をご提供していきます。

詳細につきましては、当社または担当のコンサルタントまでお問合せください。

(安田 英樹)



この原稿を書いている時点では新型コロナウィルスの影響で日常ではない日々が続いております。
原稿が掲載される頃には平穏な日常に戻っていることを願いつつ、戻った時の旅行を計画される際の参考になればという願いを込めて書いております。

新型コロナウィルスの影響を受ける少し前にお休みをいただけたので、学生時代からずっと行ってみたかった地、インドのデリーへ行ってまいりました。
ビザが必要、フライト時間が長い、治安があまりよろしくないという事から東南アジアの国を優先して訪れておりましたが、今回機会があり、とうとうデリーへ降り立ちました。

今までの東南アジアでこのような環境には慣れているつもりでしたが、デリーは噂通り、ワンランク上の凄まじい環境でした。
歩道も車道も関係なく通る車とバイクと牛、道端はゴミだらけ、その横で屋台で食べ物が売られ、さらにその横で昼間から寝ているおじさんと野良犬…。
道路は東南アジアではお馴染みの環境、歩行者用の信号がほとんど無いので、自力で凄まじい交通量の中、横断しないと先に進めません。
歩いていると外国人と見るや、声をかけてくる人数は他国の比ではありません。
3日間デリーに滞在しておりましたが、おそらく50人以上となんらかの会話をしました。
そして今も常に紛争を抱えている国だけあり、セキュリティの厳しさは群を抜いておりました。
商業施設に入るには他の国と同様に当然セキュリティチェック、それに加えメトロに乗るにも改札前にセキュリティチェック、空港には搭乗券が無ければ入ることさえ出来ません。

海外旅行の場合、旅行会社のパッケージツアーで行かれる方も多いかと思いますが、やはり自分の足で歩き、現地の人と触れ合わないと分からないことは多くあり、個人で行かれる方がよりその国を体感でき、楽しいものになるかと思います。
しかしながら個人で行く場合には、それなりの準備と心構えが必要となり、インド、特にデリーは他の国で様々な経験をし、かなり旅慣れた後でないと楽しくないものになると感じる場所でした。
どこに行かれるにも必要ですが、特にデリーに行かれる際は事前にガイドブックやインターネットなどで注意することを確認し、万全の準備をしてお出かけ下さい。
万全の準備をしておけば、デリーは魅力的な場所なので、楽しいものになると思います。

最後に最近の空港・航空機の設備についてご紹介いたします。
以前は発券、出入国審査でかなり時間を取られ、飛行機の出発時間のかなり前に空港に到着する必要がありました。
ところが今では多くの航空券はスマホで発券完了、出入国はパスポートをかざしての顔認証であっという間。スタンプはありません。希望すれば押してもらえますが…。
航空機の窓はシェードを降ろさなくても眩しい所へ行けば自動で遮光度合いを調整してくれます。

新型コロナウィルスの影響がなくなり、元の日常に戻れる日が遠からず訪れると思います。
その時にはぜひ、自粛していた分、国内海外問わずお出かけいただき、経済活動の活発化に貢献いただけますと幸いです。


ニューデリー駅



ラール・キラー



ラール・キラー内



アグラセン・キ・バーオリー(階段井戸)


(田中 利治)


天創堂株式会社 粕井 健次さん

〜ご当地ブランド事業を通して世界中の人に感動をお届けする〜

https://www.tensodo.co.jp/

出会いから今年で10年、25歳だった若手経営者も今では中堅の年齢に。ひょうきんな側面と、真剣にビジネスに向き合う姿とを、ずっと拝見してきました。今回は、オモシロ経営者の粕井さんの経営者、企業での取組についてお伝えしたいと思います。

◆天創堂に込めた思い。

社名だけ聞くと100年以上続く会社?と思いますが、事業承継を経た訳でもなく、自ら社名を命名したそうです。HPには、〜「天創堂」という社名は、サービスや商品を通して豊かで幸せな社会を創っていきたい、日本の個性や文化を発展させ世界に誇れる国にしたい、という思いを込めて命名いたしました。
また、ロゴの一番左のマークは、「人」を大切に中心に据えて、3色のグラデーションで「天」の漢字を表しながら、上へ上へとあがっていくイメージを表現しています。〜
と記載されていますが、粕井さんにもう少しお聞きしますと、『天を創りたい、天とは、理想の社会を実現したいという思いからきています。創業当初の事業は、ネットビジネスだったので、○○コムとか、○○ネットとか、横文字系の会社名の方が合うと思ったのですが、日本が好きなのであえて漢字名で、それでいて、ロゴは世界企業になって空港等でロゴ掲載しても恥ずかしくないようなぐらいに、ということを考えて創りました。』と熟考されての社名、大切なことだと思います。


【なぜか坊主頭の時の粕井さんと】

◆お祖父さん想いの粕井さん

今までに何度なく粕井さんからお聞きすることに、お祖父さんのこと、その存在の大きさに気づきます。
現在の事務所のすぐ目の前にはお祖父さんが創業した会社があります。お祖父さんも含め7人家族で生活しておられました。
お祖父さんの最期も自宅で間近で経験されました。お祖父さんが創った会社のように3ケタ億の売上の会社を展開したい。資本金777万円は験担ぎ。これも商売人のお祖父さんの影響でしょうか。
粕井さんと話していると、起業家というより、どこか懐かしい大阪の商売人のような錯覚に陥ることがあるのですが、大好きなお祖父さんの影響を良い面で受け継いでいるのだと思います。

◆明確に起業することを目標に就職へ

お祖父さんの影響もあり、起業家を目指すことを早い段階から決めていた粕井さん、就職も、起業をするのにどこが有利か?を考え、明確に3年で独立すると決めて動いたそうです。70社〜80社を就活で訪問、その後、就職先に選んだのは、サイバード社。ガラケーからスマートフォンに変わろうとする夜明け前。これから益々携帯の時代、モバイルインターネットの世界、コンテンツの時代がやがて訪れると確信して入社したそうです。
目利き力がすごいですね。でも今はお土産物屋さんですわぁ〜と笑顔で話されてましたが。。。
3年で独立を考えていましたが、一刻も早く独立しようと、予定より半年早く2年半で独立。天創堂の設立にいたります。

◆苦難の連続も10期連続増収を達成中

起業当初は、自社サービスを立ち上げて2〜3年で売上100億円!とかなり鼻息荒くスタートするも、実際は、調達した資本金はすぐに底をつき、会社の資金も残り30万円を切るところにまで一気に減ったそうです。
ちなみに、当初の自社サービスは【超エコワリ】とネーミング。コンビニでのお弁当やおにぎりの食品廃棄ロスを軽減するため、モバイルを活用した画期的な事業モデルでした。当時大手コンビニに提案までしていましたが、どこからも受け入れられずに事業は撤退。フードロスが今叫ばれていることからも、少し早すぎたのかもしれません。
ビジネスのタイミングの大切さについての教訓としたいと思います。粕井さんも、『パワポで描いていた絵、Excelで入力した数字はそのとおりにならないこともある事を理解していなかった・・・』としくじり報告をされています。
起業して1年。資金が底をついてから、ホームページ製作等々の受託製作事業を開始し、そこで順調に売上を伸ばしていきました。
資金面での苦労、それ以外にも、人の離反を何度か経験されました。創業メンバーの離職、ある時には半年で正社員3名が退職、その他にも同様のことが発生しました。その原因には、【組織図が気合だけ】【社員との信頼関係の欠如】【誰をバスに乗せるか?を考えていなかった】。そこから、理念・ビジョンの明確化、自身での有言実行を教訓に組織を立て直し事業に向かっていらっしゃいます。2019年にはNewsPicksにも登場。その記事はこちらです。10期連続増収、創業対比売上、150倍以上となっています。


余談ですが、最近はNewsPicksへのコメントも注力され、プロピッカーを目指しているのでは?と感じたりしています。


【時折事業報告ということでお会いしています】


◆ふとしたご縁から今のお土産物販売へ

厳しい経営環境から、web系の受託製作へと転換、順調に成長期に入っていた粕井さんに今の事業に通じる転機を迎えることになります。それがライセンス事業。そのスタートが【ビリケンさん】。関西人には馴染みのある幸福を招くシンボル。そのweb製作から発展し、ビリケンさんのライセンス管理にビジネスが移行していきました。粕井さんの会社が運営するビリケンさんのサイトはこちらです。
キャラクターグッズの製作、着ぐるみを作っていろんなところにイベント出演したり、プロモーション、あらゆる商品化を通じてものづくりの楽しさにも触れて行った粕井さん。ここから、各エリアで参加熱のあるマラソンのライセンス事業にも展開がスタート。いろんな企画、【オモロイ発想】から、ロイヤリティ、物販、ノベルティ製作、そこに付随する委託費へと事業の領域が広がりました。


このライセンス事業からさらに次のステップとなり、大きな成長を遂げることになったのが、【お土産物卸事業】です。ライセンスで作っていたお菓子、土産物が注目されるようになり、大手小売企業から『うちの棚を任したい』という声が掛かるようになってきました。【帳合取引できる?】と言われ、なんのこと?と思いつつも、全国の中小
お菓子メーカーに声を掛け、インバウンド市場にお土産物をぶつけるビジネスに乗り出しました。
在庫を持たないビジネスモデルで、お土産物の【棚プロデュース事業】という新しい手法で、どんどん棚の面積、扱い店舗数も増えていき、最近では、ドラッグストア、洋菓子店との連携にも乗り出しています。オリジナル自社商品の開発、海外への輸出にも。冒頭の〜ご当地ブランド事業を通して世界中の人に感動をお届けする〜をまさに体現されていると感じます。


【私がビリケンさんになっております】

◆最後に粕井さんから一言いただきました

「大阪のベンチャー会。いまや、日本のベンチャーの父的存在の杉浦さん、本当に有難く、感謝しています。
10年前に出会った頃、杉浦さんはサラリーマンをされていましたが、その時すでに、大阪のベンチャー経営者の間でものすごい人だという噂を聞いていました。関西若手の会という勉強会で初めてお会いさせていただき、当時飯を食うことにも困っていた僕は、「成功者に共通することは何ですか?」と初対面で恐る恐る声をかけさせて頂きました。それに対して杉浦さんは、少し考えられた後に「たらいの法則ですね」と答えられた事を、今でも鮮明に覚えています。「たらいの水は、自分のところにたぐり寄せると逃げていく。相手に水を送ると自然に自分のところにかえってくる。成功されている方は、そういう方ですよ」と、若造に真剣に答えて頂きました。僕がどれだけその教えを実践できているかは分かりませんが、そのお話を聞いて、自分だけでなく、取引先やお客さん、従業員を幸せにできるような仕事をしようと思うようになり、大変なこともありながらも、売上も伸びていくようになりました。そして、「たらいの法則」は、何より杉浦さんご自身が一番実践されていて、それが本当にすごいと思います。口で言うのは簡単。でもそれを自然体で、奢らず謙虚に、それでいて楽しそうに感謝に溢れながら実践されている。本当に、すごい方だと心から敬愛しています。
今後やっていきたい事。僕はやっぱり日本が大好きです。おじいちゃんは海軍の特攻隊でした。命がけで国や家族を守ろうとした人たちがいるからこそ、僕たちは今の平和や豊さを享受できている。こんなに豊かで素晴らしい国なのに、僕が生まれて(1985年)物心ついた頃から、バブル崩壊、ずっと右肩下がり、リストラや倒産、阪神大震災や地下鉄サリン事件等を経験し、僕らとそれより下の世代は、将来に夢が持ちにくくなっていると感じています。日本は素晴らしい国です。生まれてきて良かったと、次の世代が言えるような国であり、その一翼を僕らが担いたい。ご当地のブランドをもっと海外の人に買ってもらえるようにしていきたいですし、今後は日本を一つのコンテンツと捉えて海外進出、たとえばお祭り・縁日を再現したような催事をドバイでやる等、していきたいです!!
粕井さんの想いと共に世界中に日本の美味しい、オモシロ企画が広がることを私も願い、お役に立ちたいと思っています。これからの展開が楽しみです。


代表世話人株式会社 杉浦 佳浩
(http://100-dream.jp/)
1月1日付にてHPリニューアルしています。↑↑↑
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御縁結びコーナーの記事を1月単独で掲載しています。↑↑↑
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「職場のメンタルヘルスシンポジウム」に参加しました!

令和2年2月20日、厚生労働省主催のシンポジウムが開催されました。新型コロナウイルス問題で世間が騒然としている中でのイベント開催でしたので、会場は比較的空席が目立ちましたが、雰囲気自体は参加者およびパネリストの熱気を感じました。


◆第一部 基調講演「相談しやすい職場環境づくりのために」

種市 康太郎 氏(桜美林大学 リベラルアーツ学群教授)

今回のテーマでもある「相談しやすい職場環境」をつくることが大切なのは皆様周知の事実だと思います。しかし、困ったら上司や専門家に相談しようとは言うものの、実際相談しづらいと思う方が多いのではないでしょうか。平成30年実施の労働安全衛生調査の“ストレスを相談できる相手”および “実際に相談した相手”に関するアンケートでは下図のような結果でした。身体疾患の場合私たちはすぐに病院に行きます。しかしメンタルヘルスに関しては専門家に相談する人の割合が10%にも満たないのが現状で、上司・同僚に相談する割合も7割足らずであることが統計で浮き彫りになりました。
しかし、問題を抱えている従業員がいた場合、その問題を把握し、対処したいと思われるかと存じます。SOSを出さないことを心理学の専門用語では「援助要請」(または「援助希求」)をしないといいますが、そのような環境を改善するにはどうすればよいのか、この基調講演で職場と個人の両方の視点からアプローチしていきました。


援助要請ができない人の心理としては、恥ずかしがり屋、弱音を吐けない性格等の性分によるものもあれば、過去に誰かに相談したことに良い記憶が無い場合や、相談相手であるはずの上司や同僚自体がストレスの原因である等が考えられます。周囲の援助を得ながら仕事を進めていくことを良い経験として得ることができれば、個人(相談者)側の意識が変わり、問題の対処が図れるようになってくるのではないでしょうか。


それと同時に上司・会社(支援者)側の意識を変えることも必要です。そのために、まずは 部下の話を積極的に聴く姿勢を身につける等上司としてのマネジメント力を高めることが大切です。上司として“した”方が良いこと5箇条、“しない”方が良いこと5箇条が紹介されておりました。難しいことではないので、是非実践してみてはいかがでしょうか。
それから自分自身の支援スタイルを知ることで、援助要請できなかった部下が安心感を持って相談できるようになり、職場環境に変化が現れるかもしれません。例えば私たちは仕事で困ったことがあると、右図のように大きく分けて3種類の相談方法で対処すると言われております。他者と接するとき、人は自分自身のフィルターを通して相手を見ますので、フィルター(ここでは支援スタイル)の存在を理解することで、たとえ相手が異なる支援スタイルであったとしても「なぜこの程度のことで相談してくるのだろう…」または「なぜ相談してくる頻度が少ないのだろう…」といったような違和感がなくなります。つまり自分自身を知ることが、相手の支援につながるのです。
相談しやすい職場環境づくりには、相談者の心情の理解、そして上司・会社のマネジメント力を向上して日頃から話しやすい雰囲気をつくることが必要ということが分かりました。


◆第二部 職場の環境改善に取り組んでいる企業からの実践報告

次に、職場環境改善に取り組んでいる企業3社の事例についてお話を伺いました。


こちらは全国展開している従業員数80名程度の会社で、ケーブルテレビ関連のサービス提供事業をメインに行っているそうです。セルフケア、ラインケアの研修を徹底したり、社員へのフォロー面談をまめに行ったりすることはもちろんですが、もしメンタル不調に陥った場合は原因を根本から潰していこうという問題焦点型コーピング*で対処を図るそうです。さすがエンジニア集団!

*問題焦点型コーピング…ストレスの原因を根本的に取り除き、ストレスフルな状況から抜け出せるように行動すること。一方、感情にアプローチすることを重要視し、つらいと感じる気持ちを変化させたり解消させたりして
ストレスをコントロールすることを「情動焦点型コーピング」という。

こちらの会社の特徴として、安全衛生委員会の積極的な活用が挙げられます。安全衛生委員会は労使一体となって活動できる為、メンタルヘルス対策について議論するのに効果的とのこと。ストレスチェックの審議も安全衛生委員会で行われているそうです。
また、職場復帰のルールにも特色があり、3ヶ月以内の休職者には近隣図書館への通勤を命じ、慣れてきたら会社の門の前まで通い、心身の状態に問題が起きないか確認してから復帰させ、慎重に対応するそうです。


こちらの会社は、従業員数230名程度の建設業です。育児・介護・病気等の両立支援の分野において受賞経験もあり、ワークライフ推進企業にも認定されています。ファミリーデイを設けて家族間のコミュニケーション向上に努めたり、キャリアコンサルタントとのカウンセリングFP企業と提携してマネープラン相談会を実施したりしており、従業員とその家族の人生もまるごと支えていこうという強い思いが感じられます。

最大の特徴はHRC(ヒューマンリソースセンター)という、社員の目線で相談できる独立した駆け込み寺のような部署を設置したことです。採用、子育て・介護支援、健康管理、ライフデザイン、教育・研修・自己啓発、その他福利厚生や人事評価等を一括で管理している為相談事があれば何でもここに相談すればよく、非常にシンプルな仕組みになっています。

松下社長曰く、メンタルヘルスの問題は当事者から話を聴けば7割は解決するとのこと。職場復帰に関するお話の中で、特効薬のような上司がおり、その上司の部署に復帰させればメンタル不調が治るそうです!なんと再発者がゼロ。どのような上司なのか気になります。


さすが言わずと知れた大手企業というだけあり、メンタルヘルス対策は1966年から取り組んでいるそうです!
健康推進本部という、ドクターを中心とした産業保健スタッフが多くを占める独立した機関を設けているため、会社のトップが変わっても影響を受けずに発展してきたとのこと。社員の勤怠管理等、管理者の業務を代わりに行う「職場づくり支援スタッフ」を設けたり、ストレスチェックとES(従業員満足度)調査を統合した「統合意識調査」という独自のシステムを開発したりしているそうです。

若手を含む社員のフォローを行うためには管理者の負担を減らすことが重要であり、職場支援づくりスタッフを雇って管理者への研修を徹底して行った結果、メンタル不調による長期休職者の割合が3%から1%に減少したとのこと。

メンタルヘルス対策が当たり前になってくると、その先の社員のモチベーションやエンゲージメントを高めるという次の次元に進めることが分かりました。

◆第三部 パネルディスカッション 「働きやすい環境づくりに向けて ~相談しやすい環境という観点から~」

パネルディスカッションでは、種市教授から3社への個別質問と、3社共通の質問を行い、それにパネリストが回答するような形式でした。3社共通の質問は「ハラスメント事案が起きたときの対応について」でした。
3社とも専門の相談窓口(松下産業株式会社はHRC)がハラスメント対応を行っているそうです。窓口を周知しておくことで相談しやすい環境を整備しており、特に富士通株式会社は相談件数を毎年公表することで、「他の人も相談している」という安心感を従業員に与えるという工夫をしているそうです。ジャパンケーブルキャスト株式会社は、日頃から管理者もハラスメント事案を想定したケーススタディを実践し対応できるようにしているとのことでした。

◆最後に

今回のシンポジウムの内容を受け、メンタルヘルス対策において特に有効と感じたのは、相談窓口の整備と研修の徹底です。 人材不足の中、メンタルヘルスやハラスメント対策の相談先となるような独立した窓口を設けることは簡単ではないかもしれません。しかし、専門の窓口を設けその存在を周知することで社員の心身の健康を維持でき、休職者や退職者を減らすことができれば最終的には多くの点で有益なのではないかと感じました。特に最近の新型コロナウイルスの社会情勢を受け、これまで健康であった方々も不景気の煽りや社会への不安を感じ、精神的に不安定になってしまうかもしれません。「コロナ疲れ」というワードも巷で聞かれるようになりました。

また、セルフケアおよびラインケア研修を定期的に実施すること、それから研修は階層別に行った方が効果的であるという3社の共通の見解があり、日頃からケーススタディを実践しておくことが、実際に問題が起きたときへのスムーズな対処につながることが分かりました。

専門の相談窓口を設けたいけれどもなかなか難しいという企業様や、セルフケア・管理職向け(ラインケア)研修を実施したいけれども、研修内容を考えたり委託先を探したりする時間がないという企業様もいらっしゃるかと存じます。当社では専門の窓口に関するご相談にも応じることが可能です。そして階層別の数々の研修プログラムを用意しており、ラインナップのご紹介も承っております。本稿で使用している図表を社内の壁などに掲示されたい場合や、相談窓口の設置や研修実施を含むメンタルヘルス対策にご関心をお持ちの場合は是非担当のコンサルタントまでお気軽にご相談ください。



(千葉 風花)



株式会社マルマンストア

URL:http://www.marumanstore.co.jp/


◆35年以上変わらない朝3時起きのスタイル


① 毎朝3時起きの日越社長


Q.毎朝3時起きの日越社長。1日のスケジュールを教えてください。

A.3時に起床、4時には会社に到着し、メールチェック。6時半頃書類に目を通し、7時には会社を出て、各店舗をまわり朝礼に参加。その後、新店の物件確認や競合店のチェックをします。曜日によって、会議があったり、社内で報告を受けたりして、16時には帰ります。
26歳の時に魚のバイヤーになり、毎朝3時に起きて築地へ行く生活が身につき、そのまま現在に至るのだそうです。朝の一人の時間に社員総会の原稿を作成し、社員の処遇(給与)を考える。一人でないとできない仕事は、朝のうちにしてしまいます。
新店の物件確認や競合店のチェックは、商品の陳列や売価、品ぞろえ、新たな取り組みなど、見続けることによって小さな変化も見逃さないようにするためです。

◆ 社員を幸せにするということ


② 店舗の皆さんと笑顔で。


Q.全社員との面談をおこなっていると聞きました。

A. 年1回、全社員(約140人)との面談を13年間続けています。店長からの評価をもとに1年間の取り組み、頑張りについて話をしますが、店長以外の同僚からの評価も参考にしながら全員について把握していきます。
インタビュー時に見せていただいたのが、写真③の誕生日に一人一人に贈るメッセージです。その人を思って浮かんだ言葉を贈るのだそうです。
また、毎月発行されている社内報を過去1年分見せていただきました。
社内報はパート社員さん含め全従業員に配布されています。
私は電車移動中に4月号を読ませていただいだのですが、その内容に思わず涙が出て来てしまい、慌てて読むのを中断しました。


③ 社員の誕生日にメッセージを。


マルマンストアに入社する新入社員の方々には、「親の足を洗わせていただく」という課題が出されます。足を洗って感じたことを感想文にして入社式で発表するのです。その感想文が社内報4月号に掲載されていました。「親の足を洗う」など、ちょっと驚くような課題に思えましたが、読ませていただいた感想はいずれも、その情景が鮮明に浮かんでくるほど具体的で、しみじみと心に響くものでした。

~自分の母親の足を初めて洗いました。・・・足もかかとがひび割れていて、その足で私の19年間の人生を支え続けてくれていたのだと思うと、感謝の気持ちと今まで迷惑をかけてきたことへの申し訳なさを感じました。

~母の足を洗い終わって二階に行き、レポート用紙を書いていたら、涙が出てきました。18年間母に助けら れて、守られてきたのを知ることができました。母と離れて暮らすことが寂しくなりました。・・~

1年分の社内報には、日越社長の「お客様を幸せにし、会社を幸せにし、何よりも社員を幸せにする!」という思いの全てがつまっています。
その思いの原点についても、社内報に書かれていました。
会社の業績が良くなかった時、長時間労働、公休の消化もできないような状況でも辞めずに踏ん張って残ってくれた社員に対して、「マルマンに残って本当に良かったと思ってもらえる会社にする。だから私が命を使ってやる使命は『社員を幸せにすること』なのです。」

◆ Q. 会社の5年後10年後は?


④ 日越社長60歳のお祝いの時の1枚


A. これだという経営者を育てて、バトンを渡したい。
社長をやれる人間というのは、「この人のためだったら、ついていこう」と思える人。
会社のためではなく、社員にとってどうなのか?幸せになれるのかどうかで考えることが大事。
「社員が幸せを感じていれば、それは会社の幸せにつながる」という強い信念と実行力を持つ日越社長のスタイルは、誰かの真似ではない、ご自身の経験に基づく確かなものだからこそ、ブレることがないのだということが伝わってくるインタビューでした。


(小山菜穂子)


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