ブレイン・サプライ通信 9月号(9/10配信)
2024/09/10
手書きのお手紙を書いていらっしゃいますか? 最近では、メールやLINEなどのデジタルツールが主流となり、手紙や葉書を書く機会が昔に比べて めっきり減ってしまいました。さらに来月から郵便料金も値...
「人生100年時代」は、2016年に発売された『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)の中で、ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン、アンドリュー・スコット氏により提唱された言葉です。先進国、特に平均寿命の世界ランキングトップを誇る日本では、国連の推計によると2050年には100歳以上の人口が100万人を突破する見込みと言われています。自分が想像していた以上に長く生きる事となる私達の人生のステージは、「教育→仕事→引退」の3ステージではなく、何度も変化や移行を繰り返しマルチステージ化する、その時代にどのような人生戦略を採るかを述べた書籍です。 発売当時から各メディアに取り上げられ、「60歳で定年退職した後に40年も生活出来るのか・・・」と不安に駆られた方もいらっしゃるかもしれません。 その後2017年には首相官邸でも「人生100年時代構想会議」が発足し、「リカレント教育」という言葉を耳にするようになりました。「リカレント教育」とは、社会人が自身のキャリアのために「学びなおし」を繰り返し行う事を指す言葉です。 |
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日本では「リスキリング」と同義に認識されがちですが、「リスキリング」は特にデジタル化と同時に生まれる新しい職業や、仕事の進め方が大幅に変わるであろう職業につくためのスキル習得を指すのに対し、「リカレント教育」はより大きな概念と言えます。 |
人生100年時代において、「リカレント教育」はなぜ必要なのでしょうか? |
20世紀の日本においては、長期雇用を前提とした定期採用や終身雇用、年功序列により、入社後は勤続年数や年齢によって会社が業務や役割を用意してくれました。高校・大学までの教育を受けて就職すれば、必要な知識や技術は会社が教えてくれ、積極的に「学びなおし」を行わなくても定年を迎え引退する事が出来ました。まさに人生は「教育→仕事→引退」の3ステージだったのです。しかし、社会のデジタル化により産業構造の変革が加速化し、既存事業を廃止して方向転換を図る企業も増加する現代では、高度な教育を受けて就職したとしても、その知識・技術だけで一生対応する事は困難です。更に長寿化により長くなる老後を安心して暮らす資金を確保するには「仕事」のステージが長くなる事が想定され、長い期間、変化に対応する力が必要とされます。そこで、「仕事」と「学び」を繰り返すリカレント教育が重要となってくるのです。 |
では、日本の「学びなおし」の状況はどのようになっているでしょうか。 日本の労働者の83.7%は、遅れをとらないためにトレーニングや教育が必要、と回答しています。これは、グローバル平均と比べて10%以上高い数値であり、非常に高い意欲を持っている事が分かります。こちらは2017年の調査ですので、新型コロナによる急激な社会の変化を体験した現在では、もっと高いかもしれません。 | |
しかし、一方で実際に「学びなおし」をしているかというと、何も行っていない人が46.3%とアジア諸国で最高の数値となっているのです。令和3年度「職業能力開発基本調査」[個人調査]によると、自己啓発を行う上での問題点について、 | |
上位には「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない(57.8%)」「費用がかかりすぎる(27.1%)」「育児・家事が忙しくて自己啓発の余裕がない(24.7%)」「どのようなコースが自分の目指すキャリアに適切なのか分からない(23.2%)」「自分の目指すべきキャリアが分からない(20.3%)」という回答が並んでいます。時間や費用を問題にする方とともに、何をすれば良いのかが分からない方も多い様です。 | |
2015年に改正された職業能力開発促進法には、「(第三条の三)労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとする。」とあります。つまり、キャリア形成の主体は労働者個人にあるという原則が明記されているのです。 しかし、先述の通りキャリア形成のための「学びなおし」についても、何をすれば良いのか分からない方も多いのが現状です。翌2016年に生まれた「国家資格キャリアコンサルタント」は、この様な方を支援する事を役割としています。 何をすれば良いのかが分からないという方には、キャリアコンサルタントによるカウンセリングで自らのキャリアについて相談し、これまでのキャリアとスキルの棚卸し、目指すキャリアプランの設定、学びなおしの方向性の検討を行う事が一つの機会になるのではないでしょうか。 リカレント教育は、新たな職業に就く事や転職を推奨する事を目的としたものではないと考えます。 この変化の激しい現代において、社員が定期的に学びなおしを行い、新たな知識や技術を身に着ける事で、新しい仕事のやり方や職務に柔軟に対応出来る力を育てる事が、企業活動の活性化につながるのではないでしょうか。 | |
社員の学びなおしによるキャリア形成、組織の活性化のためのスタートとして、キャリアカウンセリングにご興味のある会社様は、是非、当社コンサルタントにお問い合わせ下さい。 |
<出典・参考文献>
「超訳LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット (東洋経済) 「稼ぐ力をつけるリカレント教育」 大前研一 プレジデント社 「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について」 令和5年6月 経済産業政策局 産業人材課 「リスキリングをめぐる内外の状況について」 令和4年5月24日 リクルートワークス研究所 |
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