記事検索

~ホップ・ステップ・キャリアアップの道しるべ~

query_builder 2022/11/10
メンタル・キャリア カウンセラーの部屋

「社員のモチベーションを上げるにはどの様にしたら良いだろう?」というご相談をお受けする事があります。

「モチベーション」とは、人が動くきっかけになる「動機」や「やる気」のことです。能力やスキル、知識があってもなかなか成果が上がらない人がいる一方、能力やスキルが不足していてもやる気と努力で素晴らしい成果を上げる人もいます。モチベーションが高いと作業効率や集中力などが上がります。生産性が上がり業績アップにつながる可能性や離職率低下など、企業にとってのメリットがあります。

よって社員のモチベーションを上げる事は今も昔も企業経営にとって大きな課題の一つであり、社員がどのような環境で、どのような状態であればモチベーションが高まるのかを調査した研究が、古くから数多く存在します。

その中でも特に知名度が高い、フレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」をご紹介致します。

満足感につながる要因と、不満足感につながる要因は全くの別物

ハーズバーグは1950年代に200人のエンジニアと経理担当事務員を対象とし、仕事における2つの質問を行い、二要因理論を導き出しました。具体的には、「仕事でどんなことに幸福や満足を感じたか」また「どんなことに不幸、不満を感じたか」と尋ねています。  

その結果、満足度に繋がる要因は、「達成感」「他者からの評価」「仕事内容への満足感」「責任感」「昇進」「成長」である事に対し、不満足につながる要因は、「企業の方針」「職場環境」「給与」「地位」「雇用の保障」といったものである事が分かりました。ハーズバーグは満足度につながる要因=「動機付け要因」、不満足につながる要因=「衛生要因」と名付け、この全く別物である二要因の関係性によって仕事の満足度が変化する、と提唱したのです。


不満を取り除くだけでは満足感は上がらない

私たちは、「満足」と「不満足」を表裏一体のものとして捉えてしまいがちではないでしょうか?満足感が上がれば不満足感は下がり、満足感が下がれば不満足感が上がる、といった具合です。しかし、ハーズバーグは調査の結果、「動機付け要因」と「衛生要因」は全くの別物で、「動機付け要因」が満たされると満足感は得られるが不満が取り除かれる訳ではなく、また「衛生要因」を満たすだけでは、不満は解消されるが満足感は得られないと提唱しています。つまり、職場の衛生環境を改善したり給与をアップすれば不満足感は解消されますが、それだけでは満足感は得られずモチベーションは上がらない、というわけですね。

したがって、「動機付け要因」と「衛生要因」の両方が満たされることでモチベーションが保たれ、仕事への満足度は向上すると考えられています。


ハーズバーグ理論の活かし方

●「衛生要因」へのアプローチとは

昨今の日本では働き方改革の推進により、各社が時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進、職場環境の改善に取り組まれています。これらの取り組みは「衛生要因」に対するアプローチであり、弊社では人事労務に関する専門家としてサポートさせて頂いております。しかしハーズバーグの理論によると、会社が働き方改革を進めるだけでは満足感は生まれず、モチベーションは上がらないのです。

●「動機付け要因」へのアプローチとは

個人の業績や貢献を評価するための評価制度の導入や、個々の能力や強み・スキルを活かせる配置、キャリアカウンセリングや研修等を通じて自律や自己開発の機会を提供する事等は、「動機付け要因」へのアプローチとなり得ます。しかしハーズバーグの理論によると、「衛生要因」の改善を行わずにこれらの取り組みを推進しても、意欲はあるが不満を抱えたままという状態になり、離職等に繋がってしまうかもしれません。

●「二要因」へのアプローチのバランスを考える

上記の通り、「衛生要因」「動機付け要因」どちらかだけにアプローチをしても高いモチベーションは保てません。よって両者にバランス良く取り組んで行く事が重要です。そのためには、まずは二要因それぞれに不足している点を可視化して把握し、取り組む順序を検討していく事が大切ではないでしょうか。  

皆様の会社の社員の皆様は、高いモチベーションを保って業務に取り組まれているでしょうか? 高いモチベーションで入社して来た社員から最近は意欲が感じられない、というお悩みはございませんか? 【出典・参考文献】  新版「動機づける力」~モチベーションの理論と実践~ ダイヤモンド社   本日ご紹介させて頂いたハーズバーグの理論を一つの参考として頂き、具体的にどの様に取り組んで行けば良いかお悩みの場合は、是非、弊社コンサルタントにご相談下さい。


【出典・参考文献】  新版「動機づける力」~モチベーションの理論と実践~ ダイヤモンド社

  • ~心の保健室だより~

    2025/04/10
  • ブレイン・サプライ通信 4月号(4/10配信)

    2025/04/10
    4月は新入社員の入社や異動など、人事労務関連の業務が繁忙期を迎えます。また、年度初めとして年間計画の見直しや新たな目標設定を行う必要もあり大変かと思いますが、体調に気を付けつつ、スムーズに...
  • ブレイン・サプライ通信 3月号(3/10配信)

    2025/03/10
    3月は人事異動の季節ですね。新しい環境に期待とともに不安を抱える方もいるかもしれません。体調に気をつけながら気持ちも新たに頑張りましょう。また、4月からは改正育児・介護休業法が施行され、子...
  • ブレイン・サプライ通信 2月号(2/10配信)

    2025/02/10
    2月は年末年始休暇明けで業務が本格化する時期です。1月分の給与計算・支払、年末調整など、労務担当者様は多忙な日々を送られていることと思われます。また、労働保険の年度更新準備も始まります。寒...
  • ~キャリアアップの道しるべ~

    2025/02/10
  • ブレイン・サプライ通信 年末年始特大号(12/...

    2024/12/10
    今年もあっというまに年末です。日本の年末の一大イベントの1つに「年末じゃんぼ宝くじ」があります。縁起のいい日をねらって購入する方が多いのではないでしょうか?今年の販売期間中に最強吉日の[天...
  • ~心の保健室だより~

    2024/12/10
    「ソーシャルサポート」とは、“社会的な支援”という意味で、ご自身の社交の範囲内で受けることができるサポートのことを言い、主に下記2つの内容にわけられます。 ①   物理的な支援 経済...
  • ブレイン・サプライ通信 11月号(11/8配信)

    2024/11/08
    ふるさと納税を活用したことありますか? 今年はお米や防災グッズが人気だそうです。一時期お店のお米が品薄状態だったことがありましたので危機を感じた方が多かったのでしょうか。今年の収穫量は順調...
  • ブレイン・サプライ通信 10月号(10/10配信)

    2024/10/10
    20024年の10月17日(木)は最も月が地球に近づく満月で、今年最大の大きさで見ることができるスーパー ムーンです。なんと、最も月が遠ざかる2月の満月と比べると約14%も大きく見えるそうです。 どんな...
  • ブレイン・サプライ通信 9月号(9/10配信)

    2024/09/10
    手書きのお手紙を書いていらっしゃいますか? 最近では、メールやLINEなどのデジタルツールが主流となり、手紙や葉書を書く機会が昔に比べて めっきり減ってしまいました。さらに来月から郵便料金も値...
< 12 3 4 ... 27 >

ARCHIVE