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~こころの保健室だより~
今回のテーマ <パワハラ相談窓口設置の注意点とは?>
2020年6月の労働施策総合推進法の改正により、今年の4月からパワハラ相談窓口の設置が義務化されました。これは中小企業も、従業員数に制限はなく
すべての企業で適用されます。
そこで今回は相談窓口を設置する上での注意点等についてお伝えします。
◆相談窓口対応担当者とハラスメントの調査担当者は区別した方が望ましい
「●●さんにパワハラされました」と突然社員や部下から相談された場合、多くの方がまずは状況把握に焦点を当てて対応するのではないでしょうか。状況把握は勿論重要なのですが、相談者はハラスメント行為を受け、悲しみや恐れ、怒りなどで激しく感情が高ぶっています。そのような場面で淡々と状況のみ整理されて対応を終了されると、聴いてもらえた気がせず、不安や不信感が募ります。パワハラ相談対応においては、被害者の感情に寄り添うことが求められます。しかし感情に寄り添うだけでは問題は解決しませんので、正確な内容をヒアリングすることも大切です。調査を担当する方が対応をすると状況把握がメインになりますので、そのような点でも相談窓口の役割と調査をする役割は区別した方が望ましいとされます。相談窓口担当者でまずは気持ちに寄り添い信頼関係を構築し、調査担当者へ連携するという流れがスムーズです。
◆相談窓口担当者に必要な傾聴スキルと守秘義務
「セカンドハラスメント」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。ハラスメントについて相談したとき、話の聞き手の対応でさらに傷ついてしまうことです。「●●さん(加害者)がそんなことするわけないでしょ!気のせいじゃない?」というように、相談者の話を否定するようなかかわり方をしてしまうと、相談した側は深く失望し、メンタルでの休職や離職に繋がる危険性があります。相談窓口担当者には、傾聴スキルが必須です。
被害者の気持ちに寄り添った対応をすることで、当初「加害者を処罰してほしい!」という気持ちがあった相談者側も「状況が改善すれば大丈夫」と心境の変化が起きやすくなります。